お役立ちコラム
ロックウール断熱材のメリット・デメリット・危険性を徹底解説!
みなさんは「ロックウール」をご存じでしょうか?
ロックウールとは繊維系断熱材の一つで、繊維と繊維の間に空気を閉じ込めることで熱が伝わりにくくしているのが特長です。
ロックウールは優れた特性を持っているため、今やほとんどの建物に使用されています。
この記事では、ロックウール断熱材のメリット・デメリットや危険性の有無について分かりやすく解説します。
目次
ロックウール断熱材とは?
「ロックウール断熱材」とは繊維系断熱材の一つで、繊維と繊維の間に空気を閉じ込めることで熱を伝わりにくくしています。
ロックウールは岩石など鉱物から作られた人工的な繊維です。
玄武岩などの自然の岩石や、溶鉱炉で生成した溶解スラグを原料とします。
使用目的や設置場所に応じてマットなどさまざまな形状に加工され、建物の保温や耐火用の素材として役立てられています。
具体的には、壁・床・天井など建物内部の間仕切りとして広く使われているため、目にしたことがある方も多いでしょう。
ロックウール断熱材のメリット
ロックウール断熱材には以下のようなメリットがあります。
・優れた断熱性を持つ
ロックウールは密度の高い繊維で空気を細かい空間に閉じ込めているため、空気が流れにくくなっているのが特長です。
このため熱が伝わりにくくなり、高い断熱性能を持たせることに成功しました。
密度が高ければ高いほど空気への抵抗が増えるので、より断熱効果が高まります。
・耐火性能が高い
燃えにくさや溶けにくさの度合いが非常に高いのも特長です。
耐えられる温度の上限が高く、他の素材と組み合わせることでより高度な耐火性能を発揮します。
野外での耐火実験ではロックウールを入れると大幅に耐火性能が向上することが実証されており、法定不燃材料に指定されているほどです。
・高い吸音性
ロックウールは吸音性にも優れています。
音が緻密な繊維の中に入ると圧縮と膨張を繰り返し、音のエネルギーが熱エネルギーに変換されることで音が遮断される仕組みになっています。
周波数の高い音に比べると周波数が低い音は吸音されにくくなりますが、繊維の厚さを増すことで対応することが可能です。
ロックウール断熱材のデメリット
メリットの多いロックウールですが、以下のようなデメリットも存在します。
・高価格
同じく鉱物を原料とする人工的な繊維系断熱材「グラスウール」よりも高価格になっています。
ただし、性能面で大きな差があるため、少々値が張ってもロックウールを選ぶ利益の方が大きいと言えるでしょう。
・水分を吸収すると断熱性能が下がる
ロックウールは素材としては耐水性があるのですが、水を吸収すると素材の性質が変化し断熱効果が大きく下がってしまいます。空気を分断する細かい空間で断熱性能を高めていますが、水分を吸収することでそうした空間が塞がれてしまうのが原因です。
・重量があるので脱落しやすい
ロックウールは重いので脱落しやすいという欠点があります。
「脱落」とは壁の下の方に固まってしまうことです。
脱落させないためには高い技術で施工を行なう必要があります。
脱落すると断熱効果が低くなるため、高い技術力を持つ業者に施工を依頼することが大切です。
ロックウール断熱材に大きな危険性はない
ロックウール断熱材は人体に悪影響があるのか・ないのか、多くの方が気になる点ではないでしょうか。
結論からいえば、人体に悪影響を及ぼすような大きな危険性はありません。
他の素材に「アスベスト」というものがあります。
アスベストには発がん性物質が含まれており、人体に有害だということが分かっています。
そのため、今はアスベストの製造と使用が禁止されており、現存のアスベストも処理が必要です。
それに比べると、ロックウールには発がん性物質が含まれておらず、重大な健康被害を引き起こす危険性はないと言えます。
国際的ながん研究機関の報告によると、2001年に「発がん性なし」の区分に分類されました。
だからと言って粉塵を吸い込んで健康によいわけではないので、作業を行なう際にはマスクなどを着用しましょう。
まとめ
以上ロックウール断熱材の基礎知識を解説しました。
最後にこの記事の重要ポイントをおさらいしておきましょう。
・ロックウールは断熱性能・耐火性能・吸音性能に優れている
・価格が高いことと水を吸収すると断熱性能が低下するのが欠点
・ロックウールには発がん性物質が含まれていないので大きな危険性はない
ロックウールには長所と短所があるため、双方を見極めた上で施工を依頼することが大切です。
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