防煙垂壁とは?建築基準法で規定される構造や高さについて学ぶ|東京・千葉・福岡でシステム天井工事、店舗・オフィス内装はSEED

03-6638-8530 03-6638-8530 03-6638-8530

お役立ちコラム

防煙垂壁とは?建築基準法で規定される構造や高さについて学ぶ

2022/01/30

みなさんは「防煙垂壁」をご存じでしょうか?防煙垂壁とは、建物の排煙設備として設置しなければならない垂壁のことをいいます。「防煙垂壁の構造はどうなっているの?」「どんな場合に防煙垂壁が必要になるのか?」など、防煙垂壁に関する疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで、この記事では防煙垂壁の構造や高さなどについて、分かりやすく解説します。この記事を読んでいただけると、防煙垂壁の基礎知識を得ることができるでしょう。

防煙垂壁とは?建築基準法で規定される構造や高さについて学ぶ

防煙垂壁とは

「防煙垂壁(ぼうえんたれかべ)」とは、建物内部で生じた煙の移動を防ぐための垂れ壁のことをいいます。建築基準法上では「防煙壁」と呼ばれており、煙を一定の面積ごとに区画するのが特徴です。排煙設備が必要な建物における、500㎡以内ごとの防煙区画が、防煙垂壁の設置位置になります。火災の際に発生する、一酸化炭素や有毒ガスなどを含む煙が、廊下や上層階に移動するのを一時的に防ぎ、避難するのに必要な時間を確保します。

防煙垂壁の構造

建築基準法では、防煙垂壁の構造は以下の条件を満たすことが求められます。

「不燃材料で作られていること」
「不燃材料で覆われていること」

上記の条件を満たす素材として、多く採用されているのが「ガラス」です。ガラスは、建築基準法の告示1,400号によって、「不燃材料」の一つとして定められています。同告示が定める不燃材料は、以下の17種類です。

  • コンクリート
  • れんが
  • 陶磁器質タイル
  • 繊維強化セメント板
  • 厚さが三ミリメートル以上のガラス繊維混入セメント板
  • 厚さが五ミリメートル以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
  • 鉄鋼
  • アルミニウム
  • 金属板
  • ガラス
  • モルタル
  • しっくい
  • 厚さが十二ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・六ミリメートル以下のものに限る。)
  • ロックウール
  • グラスウール板

引用元(不燃材料を定める件

防煙垂壁の高さについて

建築基準法によって規定される「防煙垂壁(防煙壁)」と認められるには、原則として500ミリメートルの高さが必要になります。ただし、次のいずれかの構造を持つ不燃性の戸(不燃戸)の上部の垂壁は、高さが300ミリメートルあれば、防煙垂壁として認められます。

「常時閉鎖式の防火戸」
「煙感知器と連動して閉鎖する戸」

ガラスの防煙垂壁の注意点

すでにご紹介したように、防煙垂壁に採用されている素材の一つが「ガラス」です。ガラス製の防煙垂壁はデザイン性に優れているのが特長で、多くの建物で使用されています。しかし、メリットばかりではありません。ガラス製の防煙垂壁は、地下街や商業施設など、不特定多数の人が集まる場所に設置されていることが多いです。火災時に煙の移動を防止するという目的から、人々の頭上の位置に設置されるため、万が一ガラスが破損して落下した場合には、大きな事故につながる恐れがあります。こうした事故を防ぐには、以下の点に注意してください。

  • 垂壁の高さや割付け幅には制限があるため、設計する際には製造会社のカタログや資料を参照する。
  • ガラス製防煙垂壁を取り付ける下地の構造が、地震が起きた際にもガラスの重量に耐えられることを確認する。
  • 大きな地震の際にはガラスが破損する可能性があるため、万が一破損してもガラスが落下しないように、支持金具に結び付けた下部フレームを通して、フレームとガラスを接着する。
  • 垂壁のガラスと柱や壁の取合い部は、地震の衝撃によるズレを吸収する構造にする。
  • スキー板など棒状の長い物を持つ人が通る可能性がある場合は、ガラスにぶつけないように注意喚起する。

可動式の防煙垂壁の設計方法

デザイン的に気になる場合は、可動式の防煙垂壁を採用する方法もあります。可動式のものであれば、防煙垂壁を見えなくすることが可能です。可動式の防煙垂壁は、火災発生時に煙の感知器に連動して降りてくる仕組みです。

可動式の防煙垂壁を設計するには、次の設置基準を満たす必要があります。

  • 火災時に有効に作動すること
  • 垂壁の高さは50センチメートル以上とし、作動後には床面から1.8メートル以上の空間を確保すること
  • 煙感知器に連動して作動すること
  • 垂壁の近くに手動降下装置を設けること
  • 中央管理室(防災センター)の設置が必要な建物の場合は、中央管理室で垂壁の作動のコントロールができ、かつ監視できること

まとめ

以上、防煙垂壁について解説いたしました。防煙垂壁は、普段は意識される機会は少ないですが「火災時の煙の拡大を防ぎ、人命を守る」という非常に重要な役割を持っていることがお分かりいただけたかと思います。いざという場合に大切な人命を守れるように、法律が定める基準をきちんと満たした防煙垂壁を設置することが大切です。

もし、防煙垂壁の施工を検討中の方がいらっしゃいましたら、「株式会社SEED」にぜひご相談ください。当社は、東京・千葉・福岡でシステム天井の施工・店舗やオフィスの内装工事を行っております。当社は、お客様から頂いたご要望を完璧に実現できるように、日々技術の向上に努めて参りました。累計施工実績1,000件以上の当社なら、確かな施工品質と迅速かつ柔軟な対応力でお客様のニーズに沿ったサービスをご提供いたします。

関連記事

  • 軽天とは?メリット・デメリット・間仕切りでの組み方を解説軽天とは?メリット・デメリット・間仕切りでの組み方を解説 みなさんは「軽天」という建築用語をご存じでしょうか? 軽天とは「軽量天井」の略称で、軽量鉄骨を素材とする天井材のことです。 軽天工事では、天井・壁など建物内部のさまざまな箇所が施工されますが、その中の一つに「間仕切り」があります。 間仕切りの軽天工事は天井の軽天工事に比べ […]
  • 耐震天井とは?特定天井との違いを分かりやすく解説!耐震天井とは?特定天井との違いを分かりやすく解説! 2011年に発生した東日本大震災では、全国の数多くの建物で天井が崩壊するという被害が相次ぎました。それを受けて政府は、崩落によって甚大な被害をもたらす危険がある天井を「特定天井」と定め、耐震基準を見直しました。一方で、「特定天井」に似た言葉として「耐震天井」というものもあります […]
  • 軽量天井とは?ニーズの背景・組み方・各メーカーの製品をご紹介!軽量天井とは?ニーズの背景・組み方・各メーカーの製品をご紹介! みなさんは「軽量天井」をご存じでしょうか? 軽量天井とは、重量が軽くて耐震性や安全性に優れた天井のことをいいます。 地震が多発する昨今だからこそ軽量天井へのニーズが益々高まっています。 みなさんの中には軽量天井には具体的にどんなものがあるのかなど、軽量天井に関する疑問 […]
  • LGSや軽天の意味も解説!内装仕上工事とは? 私たち内装工事業者の仕事は、壁や床、天井を造り、壁紙を貼ったり塗装したりすることです。内装がお店やオフィスの印象に与える影響は大きいため、「空間」を創造する仕事といってもいいでしょう。今回は、内装工事の仕事内容や、職人になるメリットを紹介します。 内装仕上工事の立 […]
  • 天井納まりが建物に及ぼす影響とは?納まりを構成する4つの要素天井納まりが建物に及ぼす影響とは?納まりを構成する4つの要素 建築において「天井の納まり」は重要な要素です。といっても「天井の納まりって何?」と、疑問に思う方もいらっしゃると思います。天井の納まりとは、天井裏の空間に梁・配管・ダクトなど必要な部材・設備が納まっていることです。天井の納まりは建物の階高を左右し、ひいては建物全体の階数や床面積 […]
  • 吸音板が快適な空間を作り出す!数々のメリットを紹介吸音板が快適な空間を作り出す!数々のメリットを紹介 SEEDは内装仕上げ工事の専門業者です。内装仕上げ次第で、建物の最終的な印象や使い勝手は大きく変わるため、用途に応じた仕上材や工法を選ばなければなりません。今回は、弊社の手掛ける工事をより皆様に理解していただけるよう、施工でよく利用する「吸音板」の特徴をご紹介します。 & […]
036638853003-6638-8530

受付時間 9:00~18:00 (日曜日定休日)

お問い合わせ・お見積り
pagetop