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耐震天井とは?特定天井との違いを分かりやすく解説!
2011年に発生した東日本大震災では、全国の数多くの建物で天井が崩壊するという被害が相次ぎました。それを受けて政府は、崩落によって甚大な被害をもたらす危険がある天井を「特定天井」と定め、耐震基準を見直しました。一方で、「特定天井」に似た言葉として「耐震天井」というものもあります。みなさんの中には「耐震天井と特定天井は何が違うの?」という疑問をお持ちの方もいると思います。そこで、本記事では「耐震天井」や「特定天井」について分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
耐震天井とは
「耐震天井」とは、一般的には「パーツの補強」「ブレースの設置」「クリアランスの確保」の3点が盛り込まれ耐震性が強化された天井のことを指します。
➀パーツの補強
地震の際などに生じる振動でクリップやハンガーなどのパーツが動いたり外れたりしてしまう恐れがあります。
これらのパーツをボルトやビスを使って補強し固定しておくことで、こうした事態を防ぐことができます。
②ブレースの設置
一般的な吊り天井を横から見た場合、吊りボルトと天井面が四角形を形成しています。
でも、これだと横からの衝撃に弱く、天井全体がブランコのように揺れてしまいます。
そこで、ブレースを設置して三角形を形成することで横からの衝撃に強くなり天井全体の横揺れを防止することができます。
③クリアランスの確保
「クリアランス」とは「隙間」のことです。
天井と壁との間にクリアランス(隙間)を設けておくことで、地震時などの振動で天井が壁と衝突するのを防ぐことができます。
クリアランスを確保した場合は室内から天井を見上げると隙間が見えてしまうため、「見切り材」という部材を使って隠す場合が多いです。
耐震天井と特定天井の違い
「耐震天井」と似た言葉に「特定天井」というものがあります。
既に解説したように、「耐震天井」とはパーツの補強等で耐震性が強化された天井を指します。
一方「特定天井」とは、「建築基準法施行令第39条第3項」で定められた「脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井」のことです。
「国土交通省平成25年告示第771号」では次のように定義されています。
- 居室・廊下その他の人が日常立ち入る場所に設けられるもの
- 高さ6mを超える天井の部分で面積200㎡を超えるものを含むもの
- 天井面構成部等の単位面積質量が2kgを超えるもの
つまり、特定天井とは、「落下することで重大な被害を生じるおそれがある、特定の条件に合致する天井」と覚えておくとよいでしょう。
特定天井が定められた理由
特定天井が定められたのは、東日本大震災の際に全国で吊り天井が落下する事故が相次いだからです。
東日本大震災時の吊り天井落下被害を受けて、政府は吊り天井の耐震性の基準を見直しました。
その見直しの結果をまとめて「国土交通省平成25年告示第771号」を2013年に公布し、2014年に施行されました。
「国土交通省平成25年告示第771号」を受けて、「建築基準法施行令第三十九条」が一部改正されました。
特定天井に該当する場合にすべきこと
特定天井に該当する場合には、特定の基準を充たすことを検証し、その安全性を対外的に証明しなければなりません。
では、具体的には何をしなければならないのでしょうか?
既存の建物の場合と新築の建物の場合に分けて見てみましょう。
既存の建物の場合
既存の建物の場合は、「天井が損傷しても落下しないような措置(落下防止措置)」をしなければなりません。
具体的には次のような措置です。
- ネットを設置する
- 天井をワイヤーで吊る構造にする
新築の建物の場合
新築の場合は、「ルート」と呼ばれる3種類の検証方法があります。
順次見ていきましょう。
仕様ルート
「仕様ルート」とは、構造的な仕様で一定の基準を充たすことで落下の危険を抑止する方法です。
吊り天井の構造を耐震性を強化した仕様に改めて、安全性を検証します。
計算ルート
「計算ルート」は、仕様ルートでの検証が構造上困難な場合に、特定の計算方法によって耐震性などを検証する方法です。
計算方法は「国土交通省告示第771号」に定められています。
大臣認定ルート
複雑な構造を持つ吊り天井の場合は、仕様ルートや計算ルートで検証できない場合があります。
そういった場合に行なわれるのが「大臣認定ルート」です。
大臣認定ルートでは、吊り天井の安全性や耐震性を個別の実験や計算によって検証します。
これまでに大臣認定ルートでの検証事例は少数にとどまっています。
耐震性に優れた「膜天井」という選択肢
吊り天井のメリットを持ちつつ、耐震性にも優れた天井が「膜天井」です。
膜天井は吊り材が必要ないので、吊り天井のメリットを持ちつつも特定天井に該当しません。
特定天井に該当しなければ安全基準を充たすための検証作業をしなくて済みます。
膜天井は軽さ・柔らかさと強さを兼ね備えており、高い耐震性を持っているほか、空間をデザインする意匠性にも優れています。
吊り天井のデメリットを回避しつつメリットをいかすことができる「膜天井」はまさに「いいとこ取り」の天井と言えるでしょう。
まとめ
以上、耐震天井や特定天井について解説しました。吊り天井の落下事故を防ぐには耐震性を強化した耐震天井にしたり、特定天井に該当する場合はしっかりと安全基準を充たすことが大切です。また、吊り天井のメリットと耐震性を兼ね備えた膜天井という選択肢も有効です。
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