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吊り天井の構造とは?吊り天井を構成する11の部品を徹底解説!
東日本大震災の際に、吊り天井の落下が相次いだことから、近年は吊り天井の耐震性への関心が高まっています。耐震対策を考える上でも、吊り天井の構造を知ることが大切です。
吊り天井には「在来工法天井」と「システム天井」の2種類がありますが、この記事では、在来工法天井の構造や構成する部品について分かりやすく解説します。この記事を読んでいただけると、吊り天井の構造に関する基礎知識を得ることができますよ。
目次
吊り天井の構造とは?
屋根や上階の床などから、ボルトを使って吊り下げるタイプの天井を、「吊り天井」といいます。吊り天井は、建造物の天井裏に相当する部分から、金属製のボルトなどで格子状に組んだ枠組みを吊り下げ、仕上げ材である天井ボードを取り付けるという構造になっています。天井裏の部分に空間ができるため、空調設備や照明器具などを設置するスペースを確保することが可能です。
吊り天井(在来工法天井)の構造を支える11の部品
吊り天井の構造は、主に11の部品から構成されています。ここでは、吊り天井を支える部品を、1つずつご紹介していきます。
吊り元(建物の躯体)
「吊り元」とは、天井を吊り下げる基点となる、建物の躯体(くたい)のことをいいます。躯体とは、鉄骨などでできた建物の骨組み部分のことです。
吊り金具・吊り元金具
「吊り金具・吊り元金具」とは、吊り元とボルトの接合に用いられる部品です。一般的には、上階の床スラブに埋め込んだ鋼製の雌ネジが、吊り元金具として使われています。床スラブの型枠が鋼製デッキの場合は、デッキ用吊り金具を用いるほか、吊りが長くなる場合は、H形鋼やC形鋼という鋼材を使ってブドウ棚を形成し、そこに専用の吊り元金具を接合用具として使用します。
吊りボルト
「吊りボルト」は、吊り元金具を介して吊り元に接合され、天井材を吊り下げるのに用いられる部品です。また、上階の床と天井の間の空間を調整することにも使われます。以前は、両端にネジ山がある両ネジタイプも使われていましたが、最近は、全長にネジ山がある全ネジタイプが使われています。
ハンガー
「ハンガー」とは、吊りボルトから「野縁受け」と呼ばれる部材を固定するための部品です。吊りボルトに取り付けたナットを使ってハンガーを挟み、締め付けて固定します。野縁受けは、ハンガーの上向きになっているコの字部分に装着します。
野縁受け(のぶちうけ)
「野縁受け(のぶちうけ)」とは、野縁を支える細長い形状の下地材です。ハンガーを介して、吊りボルトに固定されます。断面の形状がC型になっているため、「Cチャンネル」や「Cチャン」などとも呼ばれています。
クリップ
「クリップ」とは、野縁受けと野縁を十字型に直交するように接合するための部品です。野縁受けや野縁の種類に応じて、様々な形状のものが存在します。
野縁(のぶち)
「野縁(のぶち)」とは、天井の仕上げ材を張り付けるための骨組みです。棒状の形状をしており、クリップを介して、野縁受けに直交するように固定されます。
天井ボード
「天井ボード」とは、天井を構成する仕上げ材です。天井ボードは野縁にビスを使って固定され、素材としては、石膏ボードやロックウール吸音板が主に使用されています。天井ボードの規格は様々なものがあり、「910mm×1,820mm」「455mm×910mm」などのサイズがあります。
ジョイント
「ジョイント」とは、野縁や野縁受けという長尺の下地材を連結するのに使用される部品です。天井面積が大きい場合は、長尺材をつなげる必要があるため、連結用のジョイントが欠かせません。
水平振れ止め
「水平振れ止め」は、「水平補剛材」ともいい、吊りボルトが振れるのを防ぐための部品です。吊りボルトの間に水平に取り付けられ、ボルトを拘束します。
斜め振れ止め
「斜め振れ止め」も、吊りボルトが振れるのを防ぐ部品で、斜めに取り付けるのが特長です。上部は吊りボルトと、下部は野縁受けなどに固定し、天井が水平方向に動くのを抑制します。近年では、地震の際の横揺れに備える耐震補強材として、天井の安全性を高めるために使用されています。
吊り天井は耐震性に懸念も
吊り天井は、天井裏に空間ができて、空調設備や照明器具を設置できるなど、優れた機能性を持っていますが、耐震性には懸念があります。東日本大震災の際には、全国で体育館の吊り天井が落下する事故が相次ぎました。それを受けて、2014年には、政府が耐震性に関する新たな基準を設置し、「特定天井」として一定の安全性が求められるようになりました。吊り天井の安全性に不安がある場合は、「膜天井」などのより安全性の高い天井に改修することも選択肢の1つです。
まとめ
以上、吊り天井の構造や構成する部品について解説いたしました。吊り天井は優れた機能性を持つ反面、耐震性に懸念があるため、メリットとデメリットの双方をよく見極めることが大切です。安全性に不安を感じる場合は、膜天井などのより安全性の高い天井への改修を検討されると良いでしょう。
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